ごはんを食べない不安

わんこがごはんを食べてくれない時、
飼い主としてはものすごく不安になりますよね。
「体調が悪いんじゃないか」
「このままだと元気がなくなってしまうかも」
「ちゃんと栄養がとれていないのでは?」
…そんな不安がぐるぐる頭をめぐって、
「なんとか食べてもらわなきゃ」と、必死になってしまう。

実は私もそのひとりでした。
無理に食べさせるのは“愛”か“エゴ”か
私自身、医療やリハビリの仕事をしていた経験から、
「食事がとれなくなる=命に関わる」ということを体感してきました。
だから、うちの子たちが食べなかったときも、
「少しでも…」「せめて手からなら…」と必死になっていたんです。
でも、ある日ふと気づいたんです。
「これって、本当にこの子のため?」
「安心したいのは、私自身なんじゃないか?」



そのとき、“愛”と“エゴ”の境界線を初めて感じました。
わんこにも「食べたくない時」がある
人間だって、「今日はなんか胃が重いな」とか、
「朝は食欲ないな」って日、ありますよね。
それと同じように、
わんこにも“食べたくない日”や“タイミング”ってあるんです。
なのに、私たちはつい「ごはん=健康のバロメーター」だと思って、
食べないと「異常だ!」と感じてしまう。
でも本当は、
その時食べたくないだけかもしれない。
「じゃあ時間をあけてからまたあげよう」
そう切り替えることで、
お互いの気持ちがずっと楽になるんです。
シニアの子におすすめしたい“回数を増やす”ごはんのあげ方


シニアのわんちゃんによく見られるのが、
「一度にたくさん食べるのがしんどい」という状態。
胃腸の消化力が落ちていたり、
内臓への負担が大きかったりすることもあります。
そんなときにおすすめなのが、
「1回の量を減らして、そのぶん回数を増やすこと」。
たとえば、これまで朝晩の2回だったのを、
4回に分けて、少しずつ食べてもらう。
そうすることで、
体への負担も減って、食べやすくなるんです。
無理に「1回で全部食べてね」と頑張らせるより、
その子のペースに合わせることが、いちばんの優しさになるんじゃないかなと思います。
飼い主さんに伝えたいこと「安心したいのは私たち?」


食べてもらえないと、
私たちの心がザワザワしてしまうのは当然です。
だって、わんこは大切な家族だから。
でも、だからこそもう一度、
「本当にこの子のためになってるかな?」と考えてみてほしいんです。
私たちは「食べた=安心」って思いがちだけど、
それは実は飼い主側の安心感を得たいだけの時もあります。
それが悪いわけじゃない。
ただ、その想いが強すぎると、無意識のうちに“圧”になってしまうことがある。
「食べないなら、またあとでね」
そのくらいの心持ちでいると、
案外リラックスして、ちゃんと食べてくれたりしますよ。
心地よい食の時間を、わんこと一緒に


わんこの食事時間は、
体を育てるだけじゃなく、心をつなぐ大切な時間です。
だからこそ、「楽しい時間」であってほしい。
「無理にでも食べてほしい」と思う気持ちも、
「食べたくないんだよ」と伝えてくる子の気持ちも、
どちらも本音で、どちらも大切。
私も、「その時食べたくないなら、またあとで」でいいやと切り替えたことで、
うちの子たちとの関係がより穏やかになった気がします。
あなたも、どうか無理をしすぎないで。



ごはんの時間が、やさしいコミュニケーションのひとときになりますように。
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